保育士が知っておきたい子育て支援と健全育成

少子化と子育てに関係する制度

少子化の問題が提起されたのと同時に、経済界などでも
少子化問題への取り組みがスタートしています。

 

そして、男女共同参画や、職場優先の企業風土、働き方のあり方など、
社会全体のあり方が広く検討され始めているのは良い傾向であるといえます。

 

緊急保育対策等5か年事業とエンゼルプラン

 

1994年、出生率の継続的低下に対応すべく、
政府は、「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」という
エンゼルプランを策定しています。

 

このエンゼルプランは、当時の文部省、厚生省、労働省、建設省の
各大臣の合意によるもので、
4省の施策に焦点化された、策定後10年間における子育て支援施策の
基本的方向と重点施策が盛り込まれていました。

 

・エンゼルプランの重点施策

 

 1 仕事と育児の両立のための雇用環境の整備

 

 2 多様な保育サービスの充実

 

 3 安心して子どもを産み育てることができる母子保健医療体制の充実

 

 4 住居及び生活環境の整備

 

 5 ゆとりある学校教育の推進と学校外活動・家庭教育の充実

 

 6 子育てに伴う経済的負担の軽減

 

 7 子育て支援のための基盤整備

 

エンゼルプランの施策の具体的な一環としては、
当面緊急に対応を迫られている保育等の課題に対応し、
1995年度から5ヵ年の目標を定めました。

 

この5ヵ年の目標を、
当時の厚生省関連の事業を実施するものとして策定されたものが、
「緊急保育対策等5か年事業」です。

 

「緊急保育対策等5か年事業」は、当時の大蔵省、厚生省、自治省の
3大臣の合意によって策定され、
中心は保育施策でしたが、児童の福祉分野で初めて数値目標が示され、
評価されるものでした。

 

少子化対策推進基本方針と新エンゼルプラン

 

・少子化対策対策推進基本方針

 

少子化対策対策推進基本方針は、
仕事と子育ての両立、子育てそのものにかかる負担を緩和・除去し、
安心して子育てができるように
夢や希望を持つことができる社会にしようとするものです。

 

そのための環境整備を進めるために、
以下の6項目が、少子化対策対策推進基本方針の基本的な施策として掲げられています。

 

 1 固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正

 

 2 仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備

 

 3 安心して子供を生み、ゆとりを持って健やかに育てるための
  家庭や地域の環境づくり

 

 4 利用者の多様な需要に対応した保育サービスの整備

 

 5 子どもが夢を持ってのびのびと生活できる教育の推進

 

 6 子育てを支援する住宅の普及など生活環境の整備

 

・新エンゼルプラン

 

新エンゼルプランは、少子化対策推進基本方針に基づく重点施策の
具体的実施計画として策定されています。

 

「エンゼルプラン」、そして「緊急保育対策等5か年事業」が見直され、
「緊急保育対策等5か年事業」における保育対策のみでなく、
働き方、保育サービス、相談・支援体制、母子保健、
教育等幅広い少子化対策の重点施策について具体的に策定されています。

 

とはいっても、エンゼルプランと新エンゼルプランによって推進された取り組みは、
働く女性に対する「仕事と子育ての両立」を図るための施策であり、
特に保育に関する施策が中心で、
家庭で孤立する母親に関する施策ではありませんでした。