保育士が知っておきたい子育て支援と健全育成

母子カプセルと母親の孤立によって起きる虐待問題

近年の子育てに関する問題の一つに、「母子カプセル」という言葉があります。

 

母子カプセルとは、過剰に密着した母親と子どもの関係をいいます。

 

少なく生んで、子どもを大切に育てるという子育ては、
特に専業主婦の母親にとって、子どもの進歩が自分の存在意識、
存在証明になってしまいがちです。

 

子どものためと称し、乳幼児期から習い事をはじめ、
親の側が夢中になる現象も少なくありません。

 

自分の競争心を満足させるために、
子どもの将来を選んでしまうことすらあります。

 

つまり、子どもの達成度が、自分自身の上げた成果として、
自己評価の対象となっているという状態です。

 

子どもは、母親の気持ちを読み取り、
親に嫌われたくないという一心で、
親の期待にこたえようと頑張っています。

 

ある意味、子どもが親を支えているという歪んだ構造が出来上がってしまっているのです。

 

また、専業主婦と呼ばれる在宅の多くの母親は、子育てを一身に引き受けています。

 

そして、その子育ては、子どもが小さいほど困難で、
必要があっても簡単に外出をすることもままなりません。

 

大人社会から疎外され、日々延々と子どもとのみ関わる毎日が続き、
子育ての不安が母親自身の生き方への不安へとつながってしまいます。

 

このようなことから、ストレスが溜め込まれ、
子どもに手を上げ、自分を責め、ストレスが増すという悪循環に陥ります。

 

つまり、母親の孤立化がもたらす悪循環です。

 

現代の母親は、子どもへの働きかけやまなざしが過剰に生じているといえます。

 

逆に、子どもが親を必要とする最小限のものを与えない
無関心、放任、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待というものも多発しています。

 

母親が起こす虐待問題は、当然、父親も責任が問われるものであるのは当然なのですが、
母親の行動に対して、無関心で、
子どもを守ることができていない父親が多いという現状もあります。